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佐々木明里FB

咲いていた

小さいその花は
公園の脇に咲いていた。


そこに風が来て、花をふわりと揺らした。
小さいその花は風に尋ねた。
 
「あなたはどうしてわたしを揺らすの?」
 
風は答えた。
「生きているだけさ。気づいたらこうして空を駆けていたんだ」
 
風はそうして吹き続けた。



ぽつりと雨が降ってきた。

小さいその花は雨に尋ねた。
「あなたはどうしてわたしを濡らすの?」

雨は答えた。
「生きているだけさ。気づいたらこうしてしずくになって空から落ちていた」


そうして雨はしばらく降り、そしてやんだ。


小さいその花は空を見ていた。
空は青いなぁ 白いものが浮いているなぁ
そうして花は空を見ていた。

すると突然、びゅうと風が吹いてきて、ぐらりと花を揺らした。

小さいその花は風に尋ねた。
「あなたはどうして空を駆けているの?」

風は、小さい花に尋ね返した。

「君はどうして咲いているの?」



花は、自分が咲いていたことに気づいた。

小さいその花は風に言った。

「わたしは生きていたんだね」




青空の下

風は駆け

公園の脇に咲く小さな花を揺らした。

 

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